数学のテストの思い出

中学生の時のことをふと思い出したので書いておこう。

 

「次の仮定が成立するか解答せよ。根拠となる証明をすること。」という問題があった。

僕はまず「成立しない」を選んだ。

証明も成立しないという前提で進めたんだけど、最終的に矛盾が起きてしまった。

それで「あ、これは成立するんだ」と思って、解答を「成立する」に書き換え、証明も「仮定が成立しないという前提では矛盾が起きると証明された。つまりこの仮定は成立する。」ということにした。

 

採点結果は不正解。

この書き方でも間違いは無いはずだと先生に抗議したところ、「他の先生と協議する」ということで一旦保留になった。

家に帰り、親に「これは正解ではないのか」と不満と共に問うたところ、「なぜこんな間違え方をしたのか」となぜかひどく怒られた。僕は「いや、こういう解き方があってもいいはずだ」と反論したが、頭ごなしに否定されてしまいひどく落ち込んだ。

 

後日、件の解答は正解となって戻ってきた。

「もめたけど最終的にOKということになった」という言葉しか覚えてないけど、自分の考え方が認められたのが嬉しかった。

それを聞いた親の反応は素っ気なくて「よかったね」ぐらいだったと思う。

 

今振り返ってみると、あの解答を教育指導要領に従って採点したら不正解になるなんだろう。

しかしながら、テストというものは正答だけを見るのではなく、ことさら数学においては、答えを導く力があるかどうかが本人にとって重要なのだと思う。間違った時は「なぜ間違いに至ったのか?」を考え、訂正していくことが学習というものだから。

先生もそんなことを考えて正解にしてくれたんだと思う。感謝したい。